
イタリアと日本の違い
先日、とある取材を受け、服を作る上でイタリアと日本の違いは何ですか?
と聞かれたのですが、答えがうまく見つからずなかなか答えられませんでした。終わってからどう答えるのが正解だったのだろうかと自問自答。
出た答えは2つ。
重要視されるポイントと、道具の違い。
まず、重要視されるポイントについて
日本🇯🇵:安心安全、丁寧、綺麗。
イタリア🇮🇹:見た目の良さ、スピード。
1つのものを仕上げるということにあたって、
日本🇯🇵:完成系を設定して最短でそこに辿り着くためにはどうしたらいいのだろうか?完成した先の先の先まで読む。
イタリア🇮🇹:完成系を設定はするけれど、途中でもっといいアイデアが浮かんだら大きく舵を何度でも切る。最終見た目良ければOK。デザインに納得がいかなかったら何度でもやり直す。後の事は考えず、何かあったらその時また考えよう。
この違いを見るとイタリアはなぜデザイン大国と呼ばれるか、物が壊れるのか、どうして同じものが作れないのか。日本の品質は常に安定しているけれど、デザインの面白みに欠けるというのも同時に理解できるのではないでしょうか。
イタリアのスピードを重要視するのは、蛇行しすぎた為に最終焦らざる追えなくなった。が正しいのかな。笑
輸入のお仕事をされている方々は本当に頭を悩まされているかと思います。尊敬しかありません。現地にいてもコントロール出来ないので、距離が離れていたらもう。。。そのストレスと言ったらとんでもないかと。
次に道具の違いについて
ナポリに来た当初、日本では当たり前の洋裁道具があまりになさすぎてとても苦労しました。
メジャーは5mm単位、物によって若干長さが違う。定規はガタガタ。カラフルなチャコペンはない。文鎮もない。ハサミは全然切れない。言い出したらキリがないです。
けど、ナポリ人は切れないハサミでも、ボールペンで描きまくってどれが必要な線かわからない型紙でも5mm単のメジャーしかなくても、文鎮がなくても最終的に体にピッタリした服を作り上げます。
私が主に携わっているのはbespoke(オーダーメイド)なので必ずフィッティングという工程があります。ここから先は、ファンタジーで道具よりも経験とセンスのみが頼りで、それはそれはミラクルが起こります。
右左斜めととめどなくジャブが飛んできて、KOもしょっちゅう取られますが一緒にものを作り上げるということに関しては、イタリアと日本どっちが楽しい?と聞かれたら即答でイタリアと答えるほど中毒性ありです!

